SDA王滝クロスマウンテンバイクでの失敗から考える王滝初挑戦マニュアル
Posted on Tue 06 June 2017 ( 2020-09-17 update ) in bike
王滝たのしかった!たのしかった!ってテキストはいくらでもあるので、失敗したぁー!!って視点があまりありません。はじめての王滝なのに情報をまったく持っていない、マウンテンバイクに精通した自転車屋さんとのお付き合いがないなど情報源が限られている人に、SDA王滝未経験のわたしが体験したことと失敗したことをしっかり反省できたらなと思います。
とりあえず行ってみるかという方にはよーくご参考いただけますと幸いです。
王滝村への移動は時間がかかります
現地までの移動も少なからず影響があります。いくまでに疲れてしまえば体力消耗ですし、現地での準備時間に余裕がなければ失敗をリカバリーできません。
横浜を出発して王滝村に到着するのに6時間かかりました。11時出発で17時到着。従いまして、お昼に出発しては受付に間に合いません。午前の早い時間帯に出発しても事故渋滞などの発生が予想されますのでお昼過ぎになることは必至です。
はじめてなら明け方出発くらいの方がよいでしょう。中央道を利用するまでに発生する渋滞をどうやって回避するかがポイントになりますが、到着時間が極端に変わることはないと思いますので安全運転で。
王滝村受付からスタートまでの過ごし方
受付に要する時間は5分もかかりません。絶対に必要な時間はそのくらい。ほかはどのように使っても問題ないでしょう。
前日夕方に行われる開会式でコース説明を聞くことができます。プロジェクターを使って説明されますので近くならば見られますが、遠目だとわかりにくいでしょう。説明はちょっとした安心材料にはなりますが、事前にマップや経験談をあたまに入れるだけでも大丈夫です。
では、何に時間を使う必要があるのでしょうか。
トイレのタイミングは重要ですね。仮設トイレが設置されていますが集中する時間では足りていません。30分待ちくらいは覚悟しておかないと余裕がないでしょう。催してから並ぶのでは遅いです。ピーク時をうまく外せるように調整できるといいですね。
食事。晩ごはんと朝ごはんを考慮する必要があります。松原スポーツ公園は火気厳禁です。キャンプ用のシングルバーナーの使用はできません。そんなルールを無視して調理している人や駐車スペース脇にテーブルや椅子をだしているひともいらっしゃいます。何のためのルールかを考えればおすすめできません。近隣にあるオートキャンプ場や宿を利用する方がいいでしょう。
42kmにエントリーされるならば、スタート地点と同じ滝越地区にある「おんたけ森きちオートキャンプ場」が至近です。こちらの利用を検討されると良いと思います。森きちオートキャンプ場ならば松原スポーツ公園からスタート地点までの移動11kmを回避できます。体力的な面でもメリットがあります。
自転車の整備時間も必要です。輪行していれば当然ホイールを外していますので、取り付けの上、ドライブトレインとブレーキの確認は欠かせません。ポンプでタイヤやサスペンションの空気圧調整、チェーンのオイル確認もしておきましょう。
ライトや行動食を詰め込むバッグ類、配布されたゼッケンの取り付けも行う必要があります。あれやこれやと確認があります。やらないと不安このうえありませんので時間を確保しましょう。
この確認作業は開会式前に実施できるといいですね。開会式後は陽が暮れてきます。街灯がありません。真っ暗になります。ランタンを用意したとしても限界がありますので、早めに済ませてしまうのがいいでしょう。朝起きてからってのも無理があります。
スタート直前
42kmは7時スタートです。松原スポーツ公園から滝越地区へは約11kmの距離。平坦路ではなくゆるやかな登りとなっていますので1時間弱の移動時間をみる必要があります。
ウォームアップにはなりますが、頑張り過ぎると消耗します。したがって、30分前にスタート地点に到着したいなら5時30分には松原スポーツ公園を出発していなければなりません。
30分前到着が早いか遅いかといえば、ちょうど真ん中くらいといったところでしょうか。現地をうろうろ見て回ったり、挨拶して回りたければ、時間の余裕はありません。自転車を並べて、念のためのトイレに並んだらスタート時間になってしまう程度の余裕です。
起床からどのくらいで支度ができるでしょうか。1時間?トイレに行って、サイクリングウェアに着替え、朝食を摂ってというだけでも1時間じゃ厳しいかもしれません。
持参しないものをクルマにおいていく場合は荷物整理の時間も必要ですし、自転車の最終確認、行動食などのパッキングをするやもしれません。わたしは1時間だと満足に朝食の時間が確保できなかったので1時間30分は最低みたいところです。
次回を考えるなら、スタート地点で余裕を持ちたいので、3時30分起床、5時松原スポーツ公園出発、6時滝越地区到着を目指したいですね。
わたしの失敗
スタートしてしばらくすると行動不能になってしまったわけですが、何が起きてたのか。
- 心拍があがりっぱなし
- 暑くてぼーっとのぼせた感じ
- 足をとめても陽射しをきつく感じる
- ボトルの水が不足していて補給に不安
- 行動食を30分おきに摂取していたので空腹感はない
- 乗車してもクランクまわすとすぐに息が上がる
- 平地でもクランクをまわすのがしんどくなる
- 腱鞘炎があっかして腕サスが効かなくなる
- 腕サスが効かないので握力が低下する
- 握力が低下したためハンドルを握れなくなり落車
- 頭から水をかぶっても涼しくない
こんな感じでしょうか。症状を振り返るに熱中症が考えられますね。ハンガーノックの可能性は否定できそうでできません。それに腕へのダメージ。ダメダメですねー!ほんと何もいいところがない……。
服装の寒さ対策、暑さ対策
熱中症について考えます。
当日の天気予報では早朝の気温9度、日中の最高気温30度の予報だったように記憶しています。ウェア選択は、おたふく手袋の冬用長袖インナーに夏用サイクルジャージ、さらにカステリのウインドブレイカーを着ておりました。
起床後は確かに肌寒かった。肌寒いけど、ちょっと寒いくらいだったので、少し体を動かせばウインドブレイカーの類はいらなかったように思います。アームウォーマーで十分だったでしょう。にもかかわらず、スタート後しばらくはウインドブレイカーを着ていたのは完全にミスですね。
冬用インナーって寒いときはほんとにありがたくて、通気性もありながら汗で冷えることもない。でも、通気性もほどほどあるって認識が間違えでした。冬用だけあって保温性が非常に良すぎて、身体のの余分な熱を十分に放出できていませんでした。
ウインドブレイカーを脱いだ後、さらに上昇する気温に対応できていませんでした。頭から水をかぶっても身体が涼しいと感じなかったのは、十分すぎる保温機能のおかげだったのではと思います。
したがって、競技中は、通気性が良く、身体の余分な熱を放出してくれるインナーと半袖ジャージがベストですね。雨天時のためのレインウェアやアームウォーマーはもちろんあっても良いけれど、スタート前には脱いでおくこと。
摂れる食事、摂る食事、睡眠
ポイントは当日の朝食ですね。朝一番のエネルギー補給ができていなければスタートしてすぐに身体が動かなくなってきます。松原スポーツ公園から42kmスタート地点の滝越地区までの移動があるならしっかりと手当すべきですね。
王滝村の旅館を利用している場合は、前日の晩ごはんも当日の朝ごはんも用意されることと思いますし、睡眠もしっかりとれることでしょう。スタート地点までの移動を考慮して起床しつつしっかりと食べましょう。
オートキャンプ場利用は、食事は自前で用意となりますが、スタート地点までの移動がほとんどなくなります。体力と時間のアドバンテージを得られます。起床時間を誤らなければ余裕をもってスタートを切れるはず。
やはり松原スポーツ公園での車中泊が一番条件が悪いですね。前述の通り、火気厳禁です。エネルギーを補給できる食事の確保には準備が必要です。炊事時間はしっかりと確保しましょう。
スタートは10km以上の距離を走行してからになりますので、ちょっと食べた程度ではその移動でエネルギーを使い切ってしまいます。移動を見越して行動食を多めに確保し早めの補給も検討したいところでしょう。
タイヤと空気圧と不整地
馴染みの自転車屋さんや仲間がいれば、いろんな経験を元に設定ができることろ。でも、ぼっちで参加するとなると自分で調べるしかない。試して失敗し、試して失敗しの繰り返しで得られるものは少なくないと思われます。
タイヤの空気圧は使用する機材によっても変わってくるので、自分にあったバランスを見つけるためにも似たような条件で走ってみるといいですね。
今回は、コンチネンタルの仏式チューブとXking26x2.4を前後履き。チューブレスの方がいいんでしょうが、経験値が足りないので無難にクリンチャー。慣れないことはやるもんじゃない。スタート地点までの自走を見越して、前日に2気圧まであげて準備。26インチのフルリジッド車なので不整地入ったら1気圧近くまでさげようなんて思ってました。思ってましたが、忘れてました……。
初回の下りは、大きめの石が多く、微妙なブレーキングでラインをコントロールをしようとするとタイヤが石を弾いてしまいます。ズリっズリっっと滑る。グリップがあまり感じられません。これはいけないなんて思っているうちに右腕の筋力が限界を超えてしまい路面のギャップに対応できずにハンドルから手が離れて転倒。ここでやっと空気圧の調整を行いました。
1気圧付近まで減圧してからはよくグリップしてくれましたので、やはり空気圧は可能な限り下げていく方がいいですね。
サスペンション
高めの空気圧のまま、下り続けていると右腕の三角筋が痛み始めてきました。腱鞘炎持ちなので長時間使っているとすぐにこわばってきてしまいます。さっきまでよかったのにーと思っているうちに前腕の方もビリビリとしてきます。
やはりフルリジッドのマウンテンバイクでは厳しかったか。テクニックがあるわけでもないので、路面状況に追随できていませんでした。
初心者は29インチのフルサスペンションが好ましいなんて記事も読みました。これは実感です。ホイール径が大きい方が圧倒的に下りが楽になると思います。また、乗り越え含め登坂の場面でも有用です。またサスペンションは不整地で的確なトラクションを助けてくれます。バイクコントロールの面でも有意と言えるでしょう。
せめてフロントサスペンションは導入しましょう。フルリジッドによる軽量化以上にメリットがあります。というかクロモリフレームとエントリーグレードのコンポーネントでは軽量も何もないですね。
26インチのフルリジッドは体力的に余裕がないと厳しいかと思われます。
ドライブトレインとギア
今回持ち込んだのはSRAMの11速コンポーネントのエントリーグレードであるNX。フロントが32T、リアが11-42Tでした。ギア比でいうと2.91-0.76です。振り返りますともう1枚、いや2枚くらい余裕があるといいなと思う感じでした。行程のほとんどが登りとなりますので、登れるギアを第一に用意すべきでした。下りでペダリングできるかはその先の話ですものね。
そうなると、フロント2枚のコンポーネントを選ぶ方がビギナーには良いのではないかと思われます。フロント2枚ですと24/34Tあたりが多いでしょうか。フロント24Tのリア36Tですとギア比0.67。フロントシングルでいくならフロント28Tのリア42Tでギア比0.67ですね。フロント28T導入してみてもよかったかも。
ホント登れるギアを全力で用意しましょう。
コース確認
正直コースを把握する必要があるかといえばあります。事細かに覚える必要はなく、どのくらいの距離登るのか、どのくらい降るのかが欲しい情報ですね。1時間近く登りがありますので気持ちが挫けないためにも、ここまでこれた!もう少し!って情報は是非とも欲しくなります。
舗装路がこれくらい、ガレがこれくらいなんて情報はあれば有益でしょうが、ビギナーにはそれほど重要ではないかもしれません。気持ちを強く持つためのコース把握ですね。
なかまの存在
ぼっちでも別に大丈夫です。ずっと仲良く並んで走るなんてことはできません。
でも。
会場入りまでの準備期間、スタート前の確認や情報交換、リラックスのためには仲間が必要です。なにより健闘を讃えあえます。
でも。
理由があってのぼっちですから。都合よく、周りに同好の志がいるとは限りませんものね。Twitterあたりで事前にコミュニケーションを取れる人を作っておくなどしないといけませんね。
SDA王滝に参加するべきか
走っている間はツライシンドイ以外にありません。景色がいいとかそんな余裕はないでしょう。そんな余裕があったならクランク回して少しでも進まないとね。でも、次はもっとうまくやれるはずって思っているはず。だからみんなを惹きつけるんでしょうね。