Cycle N' Craft

セミファットバイクでツーリングを考える

Posted on Sat 16 November 2019 ( 2019-12-05 update ) in cycle

セミファットバイクな使い方

JamisのDragonslayerを購入してそろそろ2年が経つ。5月の王滝に間に合うようにと購入したものだった。

選定にあたり、王滝の山を軽快に登れるクロスカントリーバイクよりも、トレイルをゆったり走れるオールマウンテンバイクを選んだ。激しいアップダウンをこなし尖った個性をもつクロスカントリーマウンテンバイクよりも、アドベンチャーバイクと呼ばれることもある、オールマウンテンやトレイルといった分類の自転車の方がいいだろうと考えたからだった。

そして、この2年でマウンテンバイクに求めるものが変わってきた。

一緒に走ってくれる人が増えたことによりSDA王滝に夢中になってきている。

もっと長い距離を走りぬきたい。

もっと安全に楽しく走りたい。

だから、より競技志向の自転車が欲しくなってきている。具体的にはクロスカントリー向けの29インチフルサス車。王滝に一番とされる仕様の自転車が欲しくなってきた。あれこれ悩み続けても仕方がない。自転車を使いわけようと思う。必要とする仕様の自転車を別途調達することにした。1年くらい頭を冷やしつつ目利きできるように情報収集をしよう。新しい自転車を選ぶのって楽しいものね。

それで、中途半端に競技志向になっていたセミファットバイクを本来の仕様に戻そうと模索しはじめた。

セミファットバイクのいまはどうなっているんだろう。

2018年や2019年ころはセミファットが盛んに売り出されていたようだけれど、2020年のマウンテンバイクはすっかり29erに回帰してしまっているような気がする。

そもそも一般的なタイヤ幅である2.0や2.2あたりからセミファットと呼ばれる2.8や3.0インチまで隙間が埋まって地続きになり、セミファットという括りが曖昧になってきている気もする。ちまたには2.3、2.4や2.6なんてタイヤを履いたマウンテンバイクがぼちぼちあるようだ。

ひょっとしてセミファットはもう流行っていない?

というよりも特別な括りではなくなった?

そんな気がしてきている。

セミファットバイクは、エアボリュームを特徴としていて高いグリップと走破性を楽しむ自転車。スピードを競ったり、ダウンヒルしたりっていうよりはロングライドとかツーリングにおいて、よりタフな自転車ってイメージの方が正しいと思う。ロードバイクからグラベルロードに目が向いたように、ランドナーあたりからアドベンチャーバイクってのに最適化されたって言ったらより実態に近いんじゃなかろうか。

フレームバッグを括りつけてバイクパッキングなんて使い方はその本流なんだと思う。海外ではそんなファットバイクやセミファットバイクの記事も少なくない。いい眺めとしっくりまとまった自転車が非常に良いよね。とはいえ、日本国内のマウンテンバイク事情は海外のそれとはちょっと違うようで、長く続く土ぼこり舞う未舗装路をキャンプしながら走るニーズはあまりない。日本の場合、基本は舗装路だ。100kmや200kmを走るならばロードバイクやエンデュランスロードを選んだ方がよほど軽快に旅することができるだろう。

そもそも海外だって、自宅から自走して走り続けているのではなく、自宅から国立公園の入り口あたりまでクルマで移動して、広大なトレイルを数日かけて旅したりってスタイルの方が自然な筈だ。クルマの代替移動みたいな括り方というか期待の仕方は少し間違っているように思う。

となるとマウンテンバイクで走行する距離はせいぜい100kmほどってイメージが理にかなっているのかなと考えた。

他方で、お酒を飲みながらウェーイって自転車に乗る文化が海外にある。タトゥーを入れた髭面のおじさんたちがテンプレだよね。そうした文化をおしゃれだとしている人も国内に一定数いる。シクロクロスにも足を突っ込んでいるよね。ショップが提案するほにゃららスタイルだよ!かっこいいでしょ!みたいな感じのとはちょっとじゃなくてだいぶ距離を置きたい。似てるようで違うと思う。

完全に脱線だ。

ツーリングの目的を考える

ブレない目的設定って大事です。自分なりのターゲットを設定するなら次のようなところだと思う。

  • 100km圏内の移動をできる
  • 1dayキャンプの装備を積み込める

「100km圏内の移動をできる」と設定したのは手頃さを重視して結果。ロードバイクで100kmならそれほど難易度が高いと思わないけれど、マウンテンバイクで100km以上走るのはそれなりに体力を使う。自走で100kmとなると自宅から片道50kmってことになるので、行動範囲は県内がいいところ。それほど遠くない。ロードバイクなら近くてもったいないって距離をマウンテンバイクならではのルートで楽しめればいいんじゃないかと。距離じゃなくてルート選びと目的地のアクティビティーを大事にする。

あんまり長距離だと「よし!やろう!」って思い切るまでが大変なので、道具を積んで気軽に出かけられるってのが良いと思います。つまり荷物のパッケージ化をして、慣れてきたら輪行やクルマでのトランポも交えて楽しめたらちょうどいいのではないかな。

しかし、1dayキャンプってのはありきたりかもしれない。

要はバイクパッキングでしょ?あのテンプレ装備でしょ?カタチから入っても中身がすっからかんだと本当に無駄になる。あのバッグの中身って何が入ってるの?それ日帰りツーリングでいる?いらないよね……なんてことになる。

格好つけることに夢中になって、キャンプしたい!が後になってしまうとダメだと思う。キャンプする習慣がないのに適切な道具選びができるわけないし、ほんとに無駄。そう考えると1dayキャンプという括り方はちょっとよろしくないのかもしれない。

身の丈に合わせてミニマムに楽しむなら……。

「ラーツー」かな。

バーナーを持って出かけて、カップラーメンとお水を現地調達。そんなラーメンツーリングを基本にしてみよう。簡単な調理は経験値を積んでいけば自然とやっていくことになるんじゃないかな。それくらいの気楽さを目標にしてみます。

自転車で持っていくラーツー装備については別に考えるとして、ツーリング装備の検討を進める。

ラーツー仕様のバイク装備

ラーツー仕様の自転車なんてそのままでいいじゃん!

これに尽きてしまう気がする……。

お気に入りの自転車がラーツー仕様の自転車なんだよね。ラーツーに必要なものはサドルバッグに詰めたっていいし、サコッシュに入れてもいい。ふらりと出かけてささっと準備。ツルツルっと食べてスマートに片付けですよ。

アドベンチャーバイクたるJamisのDragonslayerならそもままでいいよね。

ラーツーの装備をパッキングするための自転車じゃなくて、マウンテンバイクで100kmくらい走るための装備。どんな趣向をこらすといいのかってのがツーリング仕様の自転車だと思う。つまり快適で楽しく走れる装備になるんじゃないか。

Dragonslayerは27.5+のタイヤを履いたセミファットマウンテンバイク。100kmくらい走るならば特に変更すべき点はないので、快適に走るための変更を模索する。

走行性を高めるなら29インチホイールに換装でしょう。29x2.2あたりなら汎用的なんじゃないかと思う。なんならスリックタイヤにしたっていいと思う。ロードバイクでは得られないエアボリュームでちょっとした舗装のデコボコも気になることはないしディスクブレーキがとても頼り甲斐がある。

しかし、手持ちの29インチホイールがあるけれど今回は不採用にしておく。王滝仕様なので急なオフロード需要の時に即応したいので待機させておく。

ならばタイヤの見直しを考える。標準装備の27.5ホイールには3.0インチのVittoria cannoliがついている。悪いタイヤではないけれど、舗装路でブレーキをかけるとズズズっと滑ることがある。エアボリュームはいかせていないし、ノブの高さも無駄になっているように思う。不整地路面だとガッチリと地面を掴んでくれて非常に頼り甲斐のあるタイヤなのだけれど、舗装路での走行性を評価するとちょっと粘りがない感じ。キビキビした印象がない。ならばタイヤを変更と考えた。調べてみるとWTBのScraper i40リムは2.2インチまで許容するみたいなのでワイヤービードのタイヤを調達して普通の27.5インチマウンテンバイクにしてみる。

選んだのはシュワルベのラピッドロブの27.5x2.25。完成車なんかについてくるようなお安いタイヤなので街中を転がしていくにはちょうどいいんじゃないかなと思い選択。スタンドオーバーハイトも下がるから乗りやすくはなるはず。

細いタイヤを選んだのは街中で駐輪する時になるべく目立たないようにしたいってのもあったりする。とりあえず履いてみて様子を見よう。ダメなら軽量なセミファットタイヤを購入かな。なにせVittoria cannoliは1130gとヘビー級。軽いセミファットタイヤなら700gから800gの範疇に収まるもの。

アドベンチャーバイクにサスペンションフォークとギアードのセットアップはおかしなものではない。疑う余地もない。

もし軽量化を果たすとしたならリジッドフォークへの換装もアリだろう。

標準のRock Shox Recon RLは2kgくらいの重量。29インチBoostの120mmトラベルのフォークの仕様はRock Shox 2019 Front Suspension Specificationsで読み取れる。

部位
ステアラーチューブ テーパード
オフセット 51 mm
AxleToCrown 529 mm
タイヤMAX直径 760 mm
タイヤMAX幅 81 mm

この仕様のリジッドフォークはメジャーなところでは製品化されていないみたい。SurlyのKrampus/Karate Monkeyフォークだと重さ1180gでこの仕様。

部位
ステアラーチューブ ストレート
オフセット 47 mm
AxleToCrown 483 mm

オフセットはともかく、アクスルからクラウンまでの距離が短いので、ヘッドチューブが立つことになる。当然ハンドルはクイックな傾向となるので少なからず自転車としての性向は変わることになる。のんびりツーリングという目的からすると許容していい変更なのかは微妙な気がする。

中国製のカーボンフォークでも似たような数字の製品ばかりなので詳しく探してみる必要があるみたい。1kg近く軽くできるなら検討の余地ありなんだけれどね。セミファットのタイヤボリュームとリジッドフォークの組み合わせは決して悪いものではないと思う。

同じく軽快な乗り味をだすためにドライブトレインを軽量化することも考えられる。シマノのSLXコンポーネントのシフター、リアディレーラー、カセットスプロケットを取り除いてしまいシングルスピード化してしまう。

Dragonslayerはスライディングドロップアウトを採用しているので、シングルスピードのギアを買ってきて取り付けてあげれば、チェーンの張り具合はドロップアウトで調整できる。ディレーラーとカセット分は軽くすることができると考えていいと思う。シングルスピード化は比較的容易に実現できる。シングルスピード化を急ぐ必要があるほどメリットはないし、趣味の楽しみの範疇なので気が向いたらシングルスピード化できるというだけでもいまのところは十分。

バッグ類は持参する道具によって変更かな。とりあえずハンドルに取り付けるスナックバッグのたぐいは有用なので取り付けておきたい。

とにかく、これがなければダメだじゃなくて、必要になったら追加するのが一番だ。奇を衒わず道路をゆるく流す感じにまとめてみよう。それこそボトルケージすらない状態に一度してみるのもいいかもしれないな。

火気厳禁

さて、ラーツーに行こうと決めたものの目的地が「火気厳禁」ということがある。こうなると全てはご破算になる。

横浜市内の公園は基本的に火気厳禁です。横浜市公園条例に定められています。バーベキュー場などが設置されていれば有料で利用できることが多いようです。それなら併設されている施設を利用してもう少し本格的なキャンプをした方がいいよね。うん、そうなります。なのでそうじゃないところを模索していく感じになります。

おとなりの川崎市の場合。川崎市都市公園条例施行規則禁止行為の逐条解説をみると「キャンプや寝泊りをする行為」を禁止としているけれど、火気使用自体は禁止とは読めなかったりします。でも、よくある質問では「火気使用禁止」とバーベキュー以外も対象かのように読めなくもありません。こうなってくると目的地にあわせて調べる必要がありということです。気軽にとはいかないけれど調べて実行って過程を楽しむべきなのかな。

ちなみに「キャンプ」って言葉はテントをはって焚き火を起こしてってことではなく、「野外や屋外で生活」することなので湯を沸かすだけでもキャンプといえばキャンプ。だから川崎市の管理する公園は炊事に関わる火気厳禁って理解でしょう。

ほんと火気使用はかなりハードルが高い行為なのです。

さらにご近所の河川、鶴見川の火気使用については鶴見川の河川管理レポートから読み取ることができました。直火でなければバーベキューもOK。多摩川の河川管理レポート相模川の河川管理レポートにも同様の記述がありました。

近隣の方に配慮すれば設置されているベンチなどを利用してお湯を沸かすのは問題なさそうです。国が管理する一級河川はおおむねこのルールが適用されているようです。

となると、やはり先達たるモーターサイクルのラーツーに倣うのが素直なやり方ということでしょうか。

サイクリングからツーリング、ラーメンツーリングに進化はちょっとずつ。

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